てぃーだブログ › 琉球ハーブ図鑑

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Posted by TI-DA at

2010年04月22日

002 "天国の花" アカバナー

【琉球ハーブ002】 名称:アカバナー

*成長が早く、台風にも強いため畑や屋敷の防風林として植えられている。

和名:仏桑花、仏桑華(ブッソウゲ) 琉球木槿(リュウキュウムクゲ)
別名:ハイビスカス(ハイビスカスの原種のひとつ)
沖縄での別名:グソーバナ


*花は1日限りで夕方にはしぼんでしまうが、毎日、新しい花が咲く。沖縄では一年中花を見ることができる。

英名:hibiscus(ヒビスカス)
学名:Hibiscus rosa-sinensis L.
分類: アオイ科ヒビスクス(ハイビスカス)


琉球大交易時代に渡来

ハワイの州花としての印象が強いハイビスカス。そのハイビスカスの原種のひとつが「仏桑華(ブッソウゲ)」です。
別名:琉球木槿(リュウキュウムクゲ)。沖縄では「アカバナー」と呼ばれていました。

琉球王朝の時代、海外との交易が盛んであった15世紀に交易相手国であったマラッカなどから、琉球商人の手によって沖縄にもたらされたそうです。

沖縄の日差しや潮風にも強く、成長も早いので、畑や屋敷の防風林として植えられました。


琉球を得た薩摩藩が、家康に献上した花

薩摩が琉球に侵攻した1609年の12月26日、薩摩藩主の島津家久が「琉球國ヲ賜ル謝礼トシテ」、徳川家康に献上した品々の中に、「紅槿」として、この花が含まれていたことが記録に残っています。

エキゾチックな花・アカバナーは、徳川家康を魅了したことでしょう。
*『家忠日記増補』


死生観を示す、あの世の花

アカバナーは別名「グソーバナ」とも呼ばれました。「あの世の花」という意味で、墓地に植栽されたり、墓前や仏壇に供える花としても使われています。
いつの頃からかあの世の花として墓地に植えられるようになりました。

朝咲いた花は夕方にはしぼんでしまい、もう咲きません。それでも別の蕾(つぼみ)から、毎日、新しい花が咲きます。
当時の人たちはアカバナーに死生観を感じたのでしょうか。


アカバナーの色素にポリフェノール発見

琉球大学の研究で赤色のハイビスカスからアントシアニンやカテキンなどのポリフェノ-ル類が発見されています。
今後、高コレステロール・動脈効果・狭心症・心筋梗塞・脳卒中・癌細胞増殖抑制・老化防止・眼の健康と機能回復・強壮への効果が認められつつあります。

*ハイビスカスティーの多くは、アカバナーではなくローゼルが使用されている。


情報提供・協力
●琉球新報2009/12/24
●癒しと快眠の島 クランド・エルバ
  


Posted by somnoquest at 19:10Comments(0)琉球ハーブ

2010年04月21日

001 "琉球の眠り草" クワンソウ

【琉球ハーブ001】 名称:クワンソウ

*今帰仁ざまみファームのクワンソウ畑 茎が野菜として流通するのは1~6月まで

沖縄各地での名称:
〔沖縄本島〕クヮンソウ、クワンゾウ、カンジョー
〔八重山〕ニイブイグサ、パンソウ
〔宮古〕ニイブイカンソウシファンツァ
〔沖永良部島〕クワンソー
〔奄美大島〕クワンソバナ


*満開のクワンソウの花。花や蕾(つぼみ)も食用として出荷される。開花時期は9~12月。

和名:秋の忘れ草(アキノワスレグサ)
別名:常葉萱草(トキワカンゾウ)
英名:day lily
学名:Hemerocallis fulva var. sempervirens M. Hotta
分類:ユリ目ユリ科ワスレナグサ属
分布:九州南部および南西諸島


琉球王朝の外交をささえたクワンソウ

海外との貿易で繁栄していた琉球王朝時代。
中国大陸から訪れる要人・冊封使たちの歓迎は、政治と経済を大きく左右する国家レベルの大事業でした。
贅をつくした歓待料理の素材にクワンソウが使われていたことが記録に残っています。
*『琉球冊封使一件』(1808年) 『琉球冠船記録』(1866年)


琉球食療法の指導書『御前本草』に掲載

琉球王府に仕える医師・渡嘉敷親雲上通寛が、王の命を受けて北京に学び、帰国後に著した琉球食療法の指導書『御膳本草』 (1832年)にもクワンソウが掲載されていました。


不眠時の民間療法として伝承され続けるクワンソウ

沖縄では「クワンソウを食べるとよく眠れる」という伝承が広く長く伝えられ、多くの屋敷にクワンソウが植えられていました。
県内高齢者に聞き取り調査を実施した際、眠れなくて辛そうなとき、元気がないとき、イライラしているとき、風邪をひいているとき…豚肉とクワンソウの葉や茎、あれば根や花などを一緒に煮込んで食べさせた(食べさせてもらった)という声が集まりました。
クワンソウの記憶を語るとき、家族の愛情が甦る時間でもありました。


ストーリーとエビデンスのある沖縄野菜クワンソウ

動物実験や二重盲検法によるヒトモニター試験で、クワンソウの不眠および疲労・ストレスの改善効果が、科学的に実証され、睡眠学会やメディアを通して発表されています。

*実験は、クワンソウの葉と茎から特殊製法で抽出したエキス「ヒプノカリス®」を用いて、ソムノクエスト株式会社が実施・発表しています。



情報提供・協力
●沖縄クワンソウ普及協会
●農業生産法人(株)今帰仁ざまみファーム
●ソムノクエスト株式会社
●癒しと快眠の島 クランド・エルバ
  


Posted by somnoquest at 13:57Comments(1)琉球ハーブ